明石家さんまとワールドカップ(02/6/28)![]()
ワールド・カップ準決勝のドイツ・韓国戦。
韓国の某大新聞に
「共同開催国であるにもかかわらず
ドイツのユニフォームを着てTVに出たタレント(明石家さんま)に対して、
日本でも大ブーイングが起こった」
という記事が出た。
自分たちの都合のいいように事実を「曲解」して記事にするみたいな姿勢について、
僕も最初は
「おまえら、またかよ」という思いを抱いた。
が。
つらつら考えているうちに、
必ずしもそうとは言い切れない面があることにも気づいた。
まず。
この間の出来事をふり返れば。
日本人の多くが、どちらかと言えば韓国の勝利を喜ぶという体勢の中で、
日テレは、
かねてからドイツ・サッカーのファンであった「さんま」を起用し、
あえてドイツのユニフォームを着せた(あるいは着たいという本人の意見を飲んだ)。
視聴者から見れば、
今回の大会には
@日本で開かれた「ワールドカップ」を心底楽しもう
という側面と、
A「日韓共催」で「韓国がベスト4まで勝ちあがった」
ということの2つの側面があり、
「さんま」は言うまでもなく前者重視の立場。
現地レポーターである長嶋一茂、松岡修造の脇に
韓国人タレントを起用していたことなどもあわせ、
日本人的には、
@とAの「バランス」役としての「さんま」の行為は
特に悪印象を抱かせるものではなかったのだと思う。
「あの韓国記事は一体、何を勘違いしてんねん!」
が。
昨晩、風呂に入っていて。
この記者の行為が、
とても「日本の国益(?)にかなう」有難き「親日派」のものである
とも解釈できることに気づいた。
まあ。
立場を逆にすればすぐに分かることなのだが、
今回の大会で、仮に韓国がすでに敗退、
日本がベスト4入りしており、
いよいよ優勝候補本命のブラジルと対戦することになったとしよう。
韓国での日伯戦中継。
そこに招かれたのは同国有数の「サッカー通」人気タレント。
が、もし彼が着ているのが「ブラジル」のユニフォームだったとしたら、
多分、多くの日本人だって、
そこにただならぬモノを感じてしまったり、
「そりゃないだろ」というふうに思ってしまうんじゃないかな?
くだんの記者氏は(単に愛国主義的だっただけかも知れないが)、
そういう意味では、
未熟だか成熟だかの日本に
「友好維持」のための「救いの手」をさしのべてくれたということになる。
まあ。
ことほど左様に。
日韓両国の国民性には微妙な「ズレ」があり、
そういうものが両国の「理解」を難しくもしているのだが、
まあ(どこの国民でもそうだが)お互いに変な面があることを自覚しつつ、
相手の身になって考えていけば、
100%とはいえなくても「理解」しあえる部分が
少なくはないんだと思う。
今回のワールドカップ共催はある意味、
両国(特に当時の韓国)の財政事情とあわせ、
日本側の過去の歴史への「後ろめたさ」、
韓国側の「日本と肩を並べたい」という意欲(まあ悪く言えばコンプレックス)のようなものを、
かなり巧みにアウフーベンして、実現したものだ。
大矛盾の中
この大きな「知恵」の存在によって、
双方の「負い目」は、
今やかなり本格的に解消に向かっている。
今回の成果を未来に繋げていくためには、
さらに
双方が賢明になっていくことが必要なんだろうな。