宗男騒動と北方領土(02/3/19)![]()
この間の宗男騒動で見逃されつつあることが、少なくとも2つある。
1つは、外務省が被害者面するのはおかしいという点。
「恫喝」や利益誘導をする奴はもちろん悪いが、
それによって外交や血税の使途をゆがめた側の罪&見識は、
もっともっと糾弾されるべきだよ。
まあこの点を指摘しているコメントは、それなりにない訳ではないんだけど、
なんだかちょっとトーンとしては弱いよね。
一方、2つ目の点については、まだ、誰も指摘し(ようとし)ていない。
それは何かと言うと、
この間、世間に、「北方領土なんかいらない」という意見を吐く輩=「国賊」と見なす
みたいなムードが出来始めているという点。
分水嶺となったのは、もちろん、
宗男追及の「手段」として野党が該当質問をしたことで、
各メディアは「国民が望む」アンチ宗男キャンペーンの一環で、
(無意識のうちに?)「返還肯定論を前提とした」路線を取り始めたように見える。
なんだか変で、キナ臭いよね。
いろんなものをごっちゃにして、些細なことから皆がある方向に流れ出していく様は、
若ノ花横綱推挙、ちあきなおみのレコード大賞の時と一緒(笑)。
まあ、僕はもともと、北方領土なんて別に返してもらわなくてもいいよ、という派なんだけどね。
だって、そのためのコストが大変そうだし、
このグローバル化したご時世、
魚なんてロシアの漁師から買った方が安いに決まってるんだもの。
国民から見れば、まず、国という概念にどれだけ重きをおき、どこまでつきあうのかはそれぞれに自由な訳だし、
わずかな国境の位置の差が、今後、それほどの重要マターであるとも思えない。
一見、「国益」を守るかに見える行動が、結局、真の国益につながらないことだってよくある。
「返還」にともなう代償とメリットについては、
もっと多方面から、率直で自由な意見を交わせるようにすべきだと思うよ。